センター長挨拶

流域圏科学研究センターは、1966年に設置された旧農学部付属の山地開発研究施設(現:高山(たかやま)試験地)に由来し、2002年3月に流域環境研究センターが発展改組されて設立されました。本センターは、植生資源研究部門、水系安全研究部門、流域情報研究部門の3部門からなり、山地から平野に至る流域圏での、自然から得られる恩恵や人間活動によって生じる環境問題と突発豪雨などの現象が人間社会へ及ぼすリスクについて研究し、成果を社会に還元することを目指しています。

本センターは流域圏科学に関連する諸大学、諸研究機関および関連コミュニティと連携を図りつつ、全国共同利用・共同研究拠点の形成を目指しています。このため、①地球温暖化が地域の森林や河川生態系の炭素循環や生物多様性にもたらす影響の解明と予測および科学的知見の提供、②地域の水資源の確保に資する生態系と水質管理技術の開発と普及、③異常気象や地震などによる災害の軽減(減災)に要する技術開発と情報提供など、流域圏が抱える環境問題に総合的に対応する「グローバルな視点を持ち、地域の環境問題に対応する環境科学」の発展に注力しています。

これまでに培ってきた、気候変動下での森林生態系炭素循環の研究(21世紀COEプログラム、地球環境再生プログラム、最先端・次世代研究開発支援プログラム)、あるいは、多国間の研究交流と若手研究者の育成(日中韓フォーサイト事業)やアジア地域の水資源問題解決に関する環境リーダー育成の大学院教育(流域水環境リーダー育成プログラム)などで得られた、1)高山試験地での学際的・国際的な生態系観測・将来変動予測研究、および、2)アジア地域の水質管理・廃水処理技術・微生物分析技術の開発・普及・人材育成の成果を基盤として、研究と教育を発展させます。

以上のように、本研究センターは基礎から応用へと研究を進めつつ、研究を通じて若手人材の育成に務めています。本センターの発展に向けて、今後とも変わらぬ御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。

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粟屋 善雄