植生調査とリモートセンシング

植生調査を行う目的

植生のリモートセンシングでは、地上の情報とリモートセンシングデータとの関係を明らかにして、その結果に基づいて広域での植生情報をマッピングします。リモートセンシングで解析する項目に応じて植生調査の内容が変わります。
バイオマスがもっとも基礎的な植生情報ですが、葉中のクロロフィル濃度や含水率などを測定して解析することもあります。

ここではバイオマス調査の例を紹介します。
農作物のバイオマス調査:

一般に対象の植物の高さと同程度の長さを1辺とする矩形(プロット)について調査を行います。農作物でも森林でも同様ですが、対象の植生が不均一な場合は広いプロットを設定します。

1_農地調査

図 刈り取りによるトウモロコシのバイオマス調査のフロー

森林の調査 胸高直径と樹高:

樹木は丈が大きく刈り取り(伐採)による調査は多大な労力を要するため、伐採調査を行うことは極めて希です。幹の太さと木の高さを測って、経験的にバイオマス(おもに幹の材積)を求めます。

 

図 幹の直径(胸高直径)の測定例

3_樹高の測定1

4_樹高の測定2

図 樹高の測定例

森林調査から得られるデータの例:

野帳に記録した調査結果をエクセルなどの表計算ソフトで集約します。

6_調査結果の集約

図 調査データの集約結果

胸高直径(DBH)や樹高を調査した結果を集約した結果からは、以下のような情報が得られます。

5_調査資料

図 対象森林とプロット内の樹木の直径分布(左)、胸高直径と樹高の関係(右上)、林齢に応じた樹高成長(右下)

林分の材積とリモートセンシングデータの明るさの関係:
地上調査の結果をプロットごとに集約して推定した材積と緑の波長での明るさの関係を解析したところ、下図のような関係が認められました(図左下)。この関係を利用して材積の分布を推定できます(図右下)。

7_材積分布図

図 材積と明るさの関係(左)と航空機データ(中)から推定した材積(右)