梅谷川(金地川)_簡易な石組みのRock Weirづくり

投稿者: | 2015-07-24

原田です。本日は、岐阜県主催の「自然共生川づくり勉強会」で講師をしてきました。

この場所は、平成20年くらいに、トンネルの工事にともなって、小さな川を付け替えしようとした際に、当時の関係者がビオトープを作ろうとして、川幅を広げたり岩盤を掘り下げたりした場所です。

河床勾配はもともと1/20くらいの急流区間であり、ビオトープでは上流から流れてくる土砂が堆積し、深みが埋まってしまう状況でした。(当たり前ですよね・・・)

これに対する改善策を、今年の4月に、岐阜県自然共生工法研究会で検討しました。検討の結果、この区間の河道特性にみあった河川地形を簡易な方法で復元し、それによる瀬淵構造が保たれるようにしようということになりました。

そして本日、簡易な石組みで、礫列*(れきれつ,Transverse rib)風の構造物を、人力施工してきました。

あらかじめ、室内でレクチャーをしまして、北米の捨石っぽい構造物や、日本の石組みっぽい構造物を見ていただきまして、素人集団である私たちとしては、「石組みと捨石の間くらいの堅牢さ」を目指して、Rock Weirを施工しました。

 

県関係者や民間技術者だけでなく、地元住民や垂井町職員さんも含む30名以上の参加者がありましたので、2班にわけ、それぞれ1基づつ施工してもらいました。

すると面白いことに、、、

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↑県職員、コンサルを中心としたチームのほうは、なんとなく北米の捨石っぽい構造に・・・

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↑施工業者さんが中心となったチームのほうは、かっちりとした石組み風に仕上がりまして、
プロの技をまざまざと見せ付けられました!

 

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最終的にこんなんなりました!
米国の技術基準書にあるRock Weirに、故・福留修文さんの石組み技術をミックスしたような構造物です。

 

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もし、今後これらがもちこたえてくれれば**、出水の度に上流側に土砂がたまり、
直下流が淵として残って、安定してくれると思います。
実作業は1時間弱。みなさん、おつかれさまでした!

 

*礫列」って何だ?という方は長谷川先生の書いたこちらの解説をごらんいただくと良いでしょう。

**なお、この場所、幅を広げすぎたことが問題であったわけですが、幅が広いおかげで、出水時には水の流れが広がって浅くなるので、石組みに作用する流体力が減少し、石組みにとっては安全側に作用します。
そのようなことで、持ちこたえてくれるんじゃないかと思います。