津田研究室

岐阜大学 流域圏科学研究センター

ぎゃらり 44(寒風山の植物(初夏編)と標本展



 秋田県の男鹿半島に位置する寒風山では半自然草原維持の目的で野焼きがおこなわれています.津田研究室では「寒風山生態系研究会」という研究会を作って,2004年から寒風山の草原を材料に野焼きが生態系に与える影響について調べています.研究の一部に植生調査が含まれているのですが,これをおこなうためには植物種を見極めることが不可欠で,研究開始当初から秋田県からの許可を受けて種同定用の植物を採集してきました.
 実は,寒風山の野焼きは中止になる確率が非常に高く,2012年と2010年は天候が悪くて実施できず,2011年は東日本大震災の影響で,2009年は北朝鮮のミサイル「テポドン」発射の影響で,それぞれ実施が見送られています.つまり最後に野焼きが実施されたのは2008年で,すでに4年連続で野焼きがおこなわれなかったわけです.このように野焼きの影響がなかなか調べられない状況のなか,植物の標本は徐々にたまっていったので,2010年頃からは「いっそのことフロラをきちんと調べよう」ということで,植物標本を積極的に収集することにしました.


寒風山の花
(左)フデリンドウ,(中)スミレ,(右)イカリソウ
(2011.5.24 S.Tsuda)

 

寒風山の花
(左)ヤマシャクヤク
(中)エビネ
(右)アズマギク
(2011.5.25 S.Tsuda)


 

寒風山の花
(左)ミツガシワ
(中)サワオグルマ
(右)ミツバアケビ
(2011.5.26 S.Tsuda)


 

寒風山植物標本展
(上)標本展の様子:会場にした男鹿温泉交流会館「五風」は,もともと「なまはげ太鼓」の演奏用に男鹿市が建設したホールでなので,ステージ上には太鼓が見える.汎用テーブルの上に標本を並べて,その上からビニルシートをかぶせただけの簡単なつくりなので,4日間の会期の間は毎日少しずつ展示標本を入れ替えた.(2011.11.2 S. Tsuda)
(下)新聞記事:秋田魁新報(秋田の地方紙)に紹介された記事.(2011.11.3掲載)


 

ぎゃらり 44

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