津田研究室

岐阜大学 流域圏科学研究センター

ぎゃらり 49(2012年 霧ヶ峰の野焼き)



 2012年の霧ヶ峰(諏訪市)の野焼きはゴールデンウィークの最中に実施されました.今年の野焼きには子分の増井君とその一味の西牟田さん,茨城県自然博物館の小幡さんも参加しました.1月の小貝川野焼きのときに増井君が手作りした「火の中カメラ」ですが,小貝川で初めて試した感触では上手に撮影できそうな手応えがあったので,今回も設置してみました.なお,このギャラリーの写真の多くは西牟田さんの写真を使わせてもらっていますが,津田は野焼きに慣れすぎてしまっているためか,西牟田さんの写真の方が素敵なものが多いからです.

 
火付け係のおじさんたち
10人ほどのお父さんがチームになって,本部の指示に従って火をつけていきます.地元の人(地権者)がおこなうため高齢化が著しく,70歳くらいの人も含まれています.草原を移動しながらの火付けは重労働らしく,相当にへこたれていました.火付けをしないでただ移動しているときも,火が付いたままの火付け棒をぞんざいに扱うので,あやうく予定外の場所にも火が付いてしまいそうでした.
(2012.4.29 左:K. Nishimuta,右:S. Tsuda)


 

 
ススキ草原の燃焼
ススキ草原の野焼きでは炎がだいたい5mくらいの高さまで上がることが多いようです.シバ群落のような背の低い群落では炎の高さも低く,ヨシ群落のような背の高い群落では10m以上にもなります.
5mくらいの炎になると相当に高温になるため,右の写真でもわかるとおり,火入れ関係者や見物客のほとんどが道路の反対側の低い場所に移動しています.
(2012.4.29 左:K. Nishimuta,右:S. Tsuda)


 

 
消火作業<その1>
霧ヶ峰(諏訪市)の野焼きは人手がたくさんあるので,多くの人は「常緑樹の枝葉でたたく」という方法で消火作業をします.もちろん消防関係の人員や車両も出動しています.
(2012.4.29 K. Nishimuta)


 

 
消火作業<その2>
消防署員や消防団などの消防関係者はポンプ車からの放水をおこなったり,ジェットシューターによる消火をおこないます.何年か前まではジェットシューターがほとんど無くて心配したのですが,今年はいくらか増えたみたいです.
(2012.4.29 K. Nishimuta)


 

 
手作りの「火の中カメラ」と作者の増井君
小貝川のときもそこそこ撮影できていたので,今回はだいぶ期待していたのですが・・・・
火付け係のおじさんが着火直前に支柱ごと引っこ抜いてしまい,差し込み直してはくれたものの空の方を向いてしまって.うまく撮影できませんでした.
(2012.4.29 K. Nishimuta)

 

 
調査
左:「霧ヶ峰草原植物生態研究会」が調べているレンゲツツジの燃焼の様子.シュートごとに番号札が付けてあり,野焼き後の生死などを調べているようです.
右:津田研究室の野焼き温度測定装置.6本の熱電対と1台のデータロガーでできているシステムで,地上2点,地表,地下3点の温度が同時に1秒間隔で測定できます.
霧ヶ峰の保全活動に取り組んでいる(株)地域環境計画の熊田さんに解説しているところです.
(2012.4.29 K. Nishimuta)


 

ぎゃらり 49

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