全国野焼き地フォトコレクション

岐阜大学流域圏科学研究センター津田研究室
津田智・増井太樹共同制作ページ

霧ヶ峰(長野/諏訪)



 霧ヶ峰高原は古い火山にできた草原で,その後は人の利用によって維持されてきました.ところが農家による草利用がなくなったため,そのまま放置されることになってしまいました.日本の多くの草原は放置するとしだいに樹木が侵入して森林化していきます.霧ヶ峰高原は諏訪市,茅野市,下諏訪町,長和町などに含まれていますが,このうち茅野市の白樺湖から車山スキー場にかけては草原維持の目的でずっと火入れを続けてきたため,優れた景観の草原が維持されています.ところが諏訪市では,ずっと管理しないまま放置してきたたため,ほとんどの場所で森林化がかなり進んでいます.このような景観の荒廃を憂慮して,実験という位置づけで2005年から一部の地域で野焼きを実施しています.

◆霧ヶ峰の景観


諏訪市「池のくるみ」地区の景観.画面左手の樹木密度が小さいところは,2008年5月4日に火入れを実施しました.火入れをおこなっていないと画面右手のように樹木が侵入し,草原から森林の景観に移り変わっていきます.(2010.6.6 S.Tsuda)

 

◆野焼きの状況

 
(左)池のくるみ地区の野焼き.諏訪市長が最初の着火をする儀式がありました.(2008.5.4 S.Tsuda)
(右)忘れ路の丘地区の野焼き.(2012.4.29 K.Nishimuta)

 

 

◆おもな植物


(左)ヤナギラン(2008.8.3 S.Tsuda)
(中)コウリンカ(2009.8.3 S.Tsuda)
(右)ヨツバヒヨドリ(2009.8.3 S.Tsuda)

 

野焼き地フォトコレクション / 霧ヶ峰(諏訪)

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