全国野焼き地フォトコレクション

岐阜大学流域圏科学研究センター津田研究室
津田智・増井太樹共同制作ページ

渡瀬遊水地



 渡瀬遊水地は,足尾鉱山(銅)の鉱毒対策の目的で設置された遊水地で,関東平野の真ん中あたりに位置します.群馬(板倉町),埼玉(加須市),茨城(古河市),栃木(栃木市,小山市,野木町)の4県にまたがっており,全体では30平方キロメートル以上もある広大な遊水地です.ハート型の池(谷中湖)や河川の部分を除く陸地の多くがヨシ群落になっていて,一部の場所では葦簀生産者がヨシ収穫をおこなっています.絶滅危惧種を含む貴重な植物も多く,タチスミレ,トネハナヤスリ,サクラソウなどが知られています.

◆渡瀬遊水地の景観

 
(左) 渡瀬遊水地は広大なヨシ群落ですが,おもに水路付近にヤナギやクワなどの樹木が侵入しています.(2013.3.17 S.Tsuda)
(右) 葦簀(よしず)生産者がヨシを刈り取った跡がところどころに見られ,この部分はヨシ焼きの燃料(枯れ草)が少なくなっています.(2013.3.16 S.Tsuda)

 

◆ヨシ焼きの方法

 
(左) この写真を撮影した与良川機場付近では,土手下に約20m幅で防火帯をを設置していましたが,防火帯の燃料はその場に残したままにしてあります.(2013.3.16 S.Tsuda)
〔右) 火入れの着火担当者はバーナー類(ガスカートリッジや灯油)を用いますが,個人装備なのでしょうか,各自が使用する用具はまちまちでした.(2013.3.17 S.Tsuda)

 

◆ヨシ焼きの状況

 
(左) 2013年のヨシ焼きは3月17日午前8時30分に開始されましたが,開始時刻を過ぎると遊水地のあちこちから煙が上がり始めました.(2013.3.17 S.Tsuda)
〔右) ヨシ群落の野焼きでは,他のタイプの草原よりも燃料が多く,しかも4mほどの高さまで燃料が分布しているので,非常に大きな炎が上がって景気よく燃えます.(2013.3.17 S.Tsuda)

 
(左) 野焼き温度測定用の温度計設置場所付近の燃焼の様子.(2013.3.17 S.Tsuda)
〔右) 最終的には防火帯にも火を入れます.(2013.3.17 S.Tsuda)

 

 

◆おもな植物


(左)
(中)
(右)

 

 

野焼き地フォトコレクション / 渡良瀬遊水地