論文採択 土木学会水工学論文集

投稿者: | 2022-08-24

本研究室大学院2年生の戸崎君,平野君がそれぞれ取り組んでいる研究内容が,土木学会水工学論文集に採択されました.本論文の内容は,12月に愛媛で行われる水工学講演会で発表される予定です.

著者:戸崎大介・原田守啓
タイトル:自然堤防帯河川における ウォッシュロード堆積モデルの検証
 本研究は,河川毎に異なる土砂濃度と流況を考慮可能なウォッシュロード堆積予測モデルの検証を主目的とし,木曽川水系揖斐川・長良川の掘削地を対象に,地表面の状態がウォッシュロードの堆積に与える影響を現地実験及び現地調査により把握し,ウォッシュロード堆積モデルによる再現計算を行った.揖斐川における4出水期に亘る定点調査,地被状態が異なる4種のパネルを設置した現地実験,揖斐川・長良川の3工区に設定した計67地点における現地調査を行い,各調査期間中の土砂堆積量とウォッシュロードが占める割合を把握した.これら全ての調査結果に対し,モデルによる再現計算と検証を行った結果,樹林化が進んだ条件において本モデルは良好な再現計算結果を示した.一方,草本のみが地表を覆う条件における検証には課題が残った.

著者:平野和希・原田守啓
タイトル:流域スケールにおける洪水攪乱外力の評価手法

 本研究は,流域内の各河川区間に作用する洪水攪乱を評価可能な手法の構築を目的とする.代表粒径に対する無次元掃流力を指標とした洪水攪乱の評価指標を提案し,これを流域スケールで運用するため,降雨-流出-氾濫モデル(RRIモデル)を拡張した.長良川流域における2020年出水期の洪水攪乱の評価に本手法を適用し,比流量を指標とした既往研究の評価手法との比較を行った.代表粒径に対する無次元掃流力の閾値を超過する時間の指標は,2020年出水期における2時期の洪水イベントにより各河川区間に作用した洪水攪乱の規模と継続時間の度合いを,流域内の分布として表現することが可能であることを示した.また,水系を構成する河道に与える川幅,河床材料代表粒径の設定方法や,手法の検証について今後検討すべき課題が抽出された.