津田研究室

岐阜大学 流域圏科学研究センター

ぎゃらり 64(2013年 オオキンケイギク一斉調査)



 2013年6月15日と16日に,「なごや生物多様性保全活動協議会」主催の「オオキンケイギク一斉調査」のお手伝いをしました.COP10が名古屋で開催されたこともあって,「名古屋市は生物多様性保全には力を入れている」というアピールの必要もあるのでしょうか,名古屋市は「なごや生物多様性センター」を作ってさまざまな事業を展開しています.われわれ生態学者にとっては物足りない部分もあるのですが,少なくとも「悪い方向性」ではなさそうですから,ちょっとだけ協力しています.
 なごや生物多様性センターは名古屋市の組織ですが,研究機関ではないので,専任の研究スタッフがいるわけではありません.おもな役割としては,情報収集や,市民活動の支援,ネットワーク作りといったところでしょうか.
 なごや生物多様性保全活動協議会は「○○研究会」とか「○○を守る会」とか「○○に親しむ会」などのたぐいの市民団体が集まって,情報交換したり,生物調査をしたり,外来種駆除をしたりしています.

 さて,ぼくがお手伝いしたオオキンケイギクの一斉調査ですが,活動協議会が企画して主催もしています.一斉調査の当日には活動協議会のメンバーさんたちが一般市民のリーダーとして引率と記録・集計などの作業を担当し,場合によっては自然観察ガイドなどもおこないます.そのため,リーダーになる予定の人は前もって講習会に参加し,外来種問題の概要とか,オオキンケイギクの見分け方とか,調査の方法とかを勉強してもらいました.この講習会の講師を引き受けたのですが,リーダー予定者は講習を1回受ければ良くても,こちらは日にちや時間を変えて3回も講習会を開かされたので,かなり大変でした.その他に一般向けの講座というのもあり,全部で4回も外来種の話をしたうえに,当日はリーダーの分担(天白川水系扇川コース6とコース14)もあって,だいぶ「こき使われた」という感じです.





上の3枚はオオキンケイギク一斉調査の募集要項の一部です.
右上は調査をおこなった場所を示していて,おもに庄内川と天白川(扇川,藤川,植田川をふくむ)に沿って調査を実施しました.本当はもっと広域にわたって調査したほうが良いとは思うのですが,市民を集めてウォーキングがてら調査をおこなうには限界があったわけです.ちなみにこの図の下の方に天白川と書かれていますが,その近くのコース6(15日)と,コース14(16日)のふたつがぼくの担当でした.

 


リーダー講習会用に作った資料の一部です.
川沿いを歩きながら限られた時間で調査をおこなうためには,ごく単純な方法にする必要があります.調査方法は個体群の占有面積クラスと着花数クラスで表現するようにしました.調査員の能力や資質や経験により多少のバラツキが出ても気にならない程度の精度です.調査方法なんかもぼく自身が考えたものです.

 

ぎゃらり 64

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