津田研究室

岐阜大学 流域圏科学研究センター

ぎゃらり 67(2013年 植生学会エクスカーション)



 第回植生学会(仙台大会)が10月12日から3日間の会期で開催されました.
 いつもどおり初日は各種委員会があって,2日目は研究発表,3日目がエクスカーションでした.エクスカーションは「3.11 東日本大震災」の津波被災地を視察しました.


仙台湾蒲生干潟
(左)蒲生の海岸を前に関係者から状況の説明を受ける.
(右)干潟の散策をする学会員.蒲生では津波以降に刻々と干潟の形状が変わっている.
(2013.10.14 S.Tsuda)



防潮林の造成地
おもに林野庁がおこなっている防潮林の造成地を視察しました.津波以前から防潮林があった場所ではなく,山から採取した土砂を2-3mの高さに積み上げ,そこにクロマツなどの苗木を植栽しています.せっかく自然に回復してきた植生(生態系)をつぶして広大な造成地を作るわけですから,生態学的には破壊の側面が大きいと考えられます.できれば既存の生態系に配慮しない開発行為はやめてもらいたいところです.
(左)クロマツの苗木を規則正しく植栽していますが,すでに枯れてしまっているものも少なくありません.
(中)場所によっては枯死を防ぐためでしょうか,苗木ごとに葦簀のような風よけが設置されていました.
(右)宮脇方式で「しぇんじゃいしじぇんショクシェイ」の構成種からなる「ふるしゃとのもり」を造成しているところもありますが,方法は同じで2-3mの土盛りによる森林造成です.
(2013.10.14 S.Tsuda)



南蒲生の津波被災林.
ここは平吹先生(東北学院大学)の尽力によりモニタリングサイトとして利用できるようになっています.津波後にいったん破壊された生態系が徐々に修復されていくようす(植生変化)などが継続的に調査されています.(2013.10.14 S.Tsuda)



 

 

ぎゃらり 67

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