津田研究室
岐阜大学 流域圏科学研究センター
ぎゃらり 81(2014年 盛岡渋民の山火事跡地)
2014年4月27日に焼失した盛岡市渋民の山火事跡地に植生調査に出かけました.植生調査といえば,たいてい植物種ごとの被度調査か,またはBraun-Blanquet流の被度・群度の調査を指しますが,ぼくは個体密度で調査します.被度を基本とした調査に比べると,はるかに時間がかかるのでデータ量が少なくなるため,あまり密度調査をする人はいないと思います.それでも密度にこだわるのには理由があります.被度調査では,サイズの大きな個体が少数なのか,サイズの小さな個体が多数なのかがわからないし,どのくらいの数の埋土種子が火事の後に発芽したのか,などの情報も得られないからです.埋土種子の研究では種子の数が問題で,群落構成種の被度とは直接的に結びつかないのです.
山火事跡地の植生
東北地方の山火事跡地は一般に植被の回復が早く,4ヶ月あまりで裸地はほとんど無くなります.渋民の火事跡で特徴的なのはタケニグサで,火事跡の種子繁殖個体ではおなじみさんでのヤマハギ,ヌルデ,タラノキに次ぐ4番目に高い密度で出現しました(栄養繁殖を含めても全体で6位).
(2014.8.20 S.Tsuda)
いわて銀河鉄道の渋民駅
(2014.8.20 S.Tsuda)
焼失直後の渋民の山火事跡地
一番右の写真はタケニグサの芽生えで,火事後あまり時間がたたないうちに発芽したことがわかります
(2014.8.20 S.Tsuda)
ぎゃらり 81
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