「寒風山で学ぶ環境問題」のご案内(2回案内)

岐阜大学津田研究室では数年前から秋田県男鹿半島の寒風山で野焼き草原の研究を続けており,その成果の発表会を企画しました.
この2回案内では,掲示資料や配布資料の情報が新たに追加されています.それ以外の部分は初回案内とほとんど同じ内容です.一応のところ確定版です.

 津田研究室に小泉研究室の一部の学生さんを加え,2004年から男鹿半島の寒風山をフィールドにして野焼きとその後の環境変化や植生についての研究をおこなってきました.寒風山では春の野焼きが中止になったり延期になったりすることもたびたびあり,なかなか思うようには研究が進まなかったのですが,この研究の開始からすでに5年が経過したので,このあたりで一旦研究をまとめようと言うことになりました.研究開始当初は岐阜大学の大学院生だったメンバーの中には就職して岐阜を去ってしまった諸君もいるため,チーム全員が集まって議論することがなくなってしまったこともシンポジウム開催のきっかけになっています.さらにもうひとつの重要なできごととして,津田研チームが常宿にしている温泉旅館のご主人がシンポジウム会場「五風」の館長を任されていることもありました.そんなわけで寒風山シンポジウムとして,地元の男鹿で成果発表会を開くことにしました.


寒風山シンポジウム「寒風山で学ぶ環境問題」

日時: 2008年11月23日(日) 13時−16時
会場: 男鹿温泉五風
主催: 寒風山生態系研究会(津田研の研究チームの名称です)
対象: 一般(中学生以上程度)
参加費: 無料

●趣旨
 寒風山では春になったら山焼きをやっていますが,どうして山焼きが必要なのでしょうか.近頃よく聞く環境問題の2大キーワードの「生物多様性」と「地球温暖化」という視点で寒風山の山焼きを考えてみます.
 寒風山の山焼きを見て,「山焼きは自然破壊にならないのですか?」,「生物多様性を維持するためには今ある自然に手をつけることなく保護するのが大切なのではないでしょうか?」,「草を燃やしたらたくさんの二酸化炭素が出てしまいますが地球温暖化に悪い影響はないのですか?」などの疑問をいだく方も少なくないと思います.そこでこのシンポジウムでは,寒風山の山焼きを例に「生物多様性」と「地球温暖化」を理解する上で大切なエコロジカル(生態学的)な視点を提供し,山焼きが寒風山の自然に与える影響について,具体的な研究結果をもとに解説したいと思います.


●プログラム
 □ ご挨拶と趣旨説明:津田智(岐阜大学流域圏科学研究センター)
 □ 発表1.「寒風山の歴史−草原って何だろう−」澤田佳宏(兵庫県立大学淡路景観園芸学校)
 □ 発表2.「火入れ草原の環境−山焼きって何だろう−」津田智(岐阜大学)
 □ 発表3.「地球温暖化と炭素循環−草原と森林の土壌環境−」安立美奈子(農業環境技術研究所大気環境研究領域)
 □ 発表4.「火を入れたときに土から出てくる二酸化炭素」八代裕一郎(岐阜大学流域圏科学研究センター)・安立美奈子(農業環境技術研究所)
 □ 発表5.「生物多様性から見た山焼きと草刈り」澤田佳宏(兵庫県立大学)
 □ 発表6.「寒風山の招かざる客」津田智(岐阜大学)


●展示
 ◇ 「寒風山草原の草花図鑑」ポスター
 ◇ 寒風山に侵入した外来種の押し葉標本 など


●配付資料
 ◇ 「寒風山草原の草花図鑑」パンフレット


さらに詳しい情報がお知りになりたい方は津田研究室までお問い合わせください.


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