2011年8月29日に菊池先生が亡くなられて1年が過ぎました.一周忌を目標に追悼文集の編纂作業をして参りましたが,このたび命日の8月29日に合わせて文集を発行することができました.編集委員会では菊池先生と関係が深かった方々にお声をかけ,ご醵金をお願いして文集の出版費にあてました.ご醵金いただいた方々には文集を一冊ずつ贈呈いたしましたが,まだ若干の残部がございます.
高槻成紀・冨士田裕子・津田智編著,A5版230ページ(カラー口絵4ページ)の本で,出版は菊池先生ともゆかりのある仙台の笹氣出版印刷にお願いしました.菊池先生と同世代の「仲間」から,岐阜大学・横浜国立大学での「教え子」にいたるまで,五十名近い方々が執筆しております.追悼文のほかに,資料として菊池先生の略歴・著作目録・遺稿「マングローブ植生と立地の地形特性:日本,ミクロネシア,フィリピンにおける調査から」などが集録されています.
編者のひとり,高槻成紀(麻布大学)さんの「あとがき」の一部をご紹介します.
「・・・・内容的にも,とても思いで文集とはいえない,論文に近い力作もあった.おそらく学問史としても引用に値するものもあると思う.・・・・こうして,この文集は菊池多賀夫という偉大な研究者の輪郭を描くことに成功したと思う.文集には,自然観察者としての類まれな才能と,深い洞察力,調査道具などを作る器用さ,学問的リーダーとしての力量だけでなく,教育者としての無類のやさしさと学生へのあふれる愛情,さらには家庭人としてのすばらしさが随所に記述されている.・・・・」
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