元 々 粗 忽

We're on a road to nowhere.
(from "Road to Nowhere" by Talking Heads)
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2004-6-30
 砂浜の深いところに1年間埋土した種子の発芽試験、さいごの2種類が今日終了した。ひとつの種類は途中から腐敗しまくった。新しい種子と一年間埋土後の種子に対して同じ時間の硫酸処理をおこなったのがいかんかったのかもしれない。あとの祭り。祇園祭はまだなのに。

2004-6-26-sat >>> 27-sun
 生態学会中部地区会で立山へ。会場は弥陀ヶ原の国民宿舎。立山へは初めてだった。少人数のアットホームな学会で、面白い発表を聞いて、面白いひとたちと酒をのんで、エクスカーションを満喫して帰ってきた。富山大の和田さん、久米さん、中央植物園の山下さん、ありがとうございましたフォーユアホスピタリティ。
 エクスカーションではホシガラスの親子とか、チングルマとかノビネチドリとかハクサンチドリとかハクサンコザクラとかハクサンイチゲとかツガザクラとか、いろいろ咲いておりました。えがった。富山では回転寿司に行った。地元の漁港であがったネタがきときとでかなりよかった。

2004-6-24-tue >>> 25-fri
 私は粗忽を旨として日々過ごしておるのだが、時としてこれに迂闊を加えることを怠らない。日々粗忽、時々迂闊、というのが私のモットーであり、また回避しようのない運命でもある。本日はこの「時々」に該当する日であった。周囲の人々から「迂闊にもほどがある」と軽蔑と賞賛が相半ばする声が寄せられた。みんな驚き呆れたかも知れぬが、正直にいおう、私も驚いた。
 一瞬の迂闊によって平穏な日常に生じた小さなほころび、これを旧に復するために私は2日ちかくを費やした。自業自得ではある。秋山研の優秀な頭脳、かむけん君に対してはたいへん申し訳なく思っている。彼は私のために半日を費やしてくれた。ありがとう。すみません。こんど吉照庵で蕎麦をおごらせてください。
 さて。いかなる迂闊を私は展開したのか。Win2000のAdministratorのユーザ名を書き換えたら立ち上がらんようになってもうた、のである。書き換えたときに新しい名前を覚えまちがえたかタイプミスしたらしい。書き換え後の起動時に新しい名前がボックスに自動的に出るだろうと期待(油断)していたら出なかった。そして、ここがそもそも私の大馬鹿間抜けのこんこんちきなところだが、私は普段からAdministratorでログオンしていて、それ以外のユーザを設定してなかった。そのAdministratorを封じられたので、もうまったくWin2000を起動できなくなってしまったのであった。とほほー。さらにもう一点、私のあほだらぶり、だぼはぜぶりを白状すると、このたびの過失によってはじめてWin2000がそういう仕組みだと知ったことだ。無知は罪。むっちゃ反省している。
 結局、かむけんくんとサカイの手をわずらわせつつ、コンパックのユーザサポートから教えてもらった方法で復旧した。この方法は「パラレルインストール」と呼ぶそうだ。すなわち、従来のシステムとは別のフォルダに新たにシステムをインストールして、そっちのシステムからもとをいじくるというもの。
 今回の一件ではいろいろと教訓を得た。何よりの教訓は、もっと計算機を知れということだ。僕は計算機にはそれほど興味がもてなくて、だからあまり知識をしいれてこなかった。だが、やっぱり日常使う機械について知識は必要だ。めんどくさいけど、ちょっとずつ勉強するしかないな。でもなー。興味わかへんなー。PCに内燃機関とか車輪とか付いてたらもうちょっと愛することができるんやけどなー。
 復旧後はAdministratorは使わず、別の名前でログオンするようにした。これで正しいW2Kユーザにむけて一歩前進。あとできれば外付けハードディスクにデータファイルをミラーリングして保存するようにしたいところだが、軍資の不足はいかんともしがたいのであった。今後の課題です。

2004-6-23-wed
 6月18日の日記に書いたシジミチョウの写真をアップロード。たぶんヒメシジミだと思うが、現場で同定したわけじゃなく写真判定なので自信はない。グロい?ぼくは面白いとおもうのだけれど。
 大学生協のスピードくじで8等アイスもなかが当たった。研究室に持ち帰り6等分して5人でわけたら1片あまった。遠慮の塊。そこでこの1片を二等分して一つたべた。まだ1片あまっている。この1片をさらに二等分して一つをたべると、まだ1片がのこる。これをいつまでも繰り返せばアイスもなかは小さくなりつつも常に1片残りつづけて、無くなるということがない。アイスもなかの微分。
 今日、研究室では「明日からがんばろう」というスローガンが流行していた。ではまた明日。

2004-6-22-tue
 一昨年から昨年にかけておこなった制御環境下での発芽試験の結果を再度整理している。対象とした種と処理の組み合わせがたくさんあって、整理整頓が苦手な僕の脳みそからは溢れ出しまくり。おえ。
 まずは整理の必要の無い処理や予備実験などのデータを除外して、いる項目だけぬきだしてみよう。対象とした種は14種、光のあるなし、温度の高い低い、前処理(冷湿/冷乾/なし)、ものによっては硫酸処理。たくさんあるようだが冷静になって考えたら高々100から200の間である。ちょろいちょろい。

2004-6-21-mon
 台風がきた。徳島サイトがどうなったか気になるが、今年はほとんど調査してないんだった。でも台風直後の浜を見たいなあ。撹乱されましたー、って感じがええねん。徳島のお知りあいの方々はだいじょうぶだったかなあ。
 台風が近づいてきて雨風がはげしくなってなんかつられてハイテンションになってしまった。かさをささずにわざわざ出歩いてぐしょぬれになってみた。不謹慎を承知でいうが台風って魅せられる。ファンタスティックで。
 夜、長良川をみた。高水敷を埋め尽くして川幅いっぱいいっぱい轟々と流れる。撹乱やってまーす。
 鉄道の運行状況をチェックすべくJR東海のウェブサイトに行くが、アクセス集中のためだろう、激重。なんで重いかというとどのページも見た目に懲りすぎとるからじゃ。なんで「きっぷのルール」とか「特急券」とかそういう文字が全部画像やねん。あほめ。ふだんはそれでもええが、台風のときくらいテキストベースのかるーいページに誘導したれよ。アクセス集中するのわかっとーやろ。なめとんか。と呪詛の言葉をまきちらす。

2004-6-20-sun
 一週間つづいた梅雨の晴れ間は昨日まで。湿った風が伊勢湾から濃尾平野へと吹き込んで雨を降らせている。  イントロを書くためにレンガをひとつずつ読む。ああ遅い。ああ集中力がない。_| ̄|○
 駅までバス。夜はダイヤに40分の空白があったりして不便この上ない岐阜大学−岐阜駅間。
 ちかごろサカイの影響でF1を見るようになった。もともとタイヤとか内燃機関とかにメがないのでハマりそうで。アメリカGP、ピットストップ後の追い上げっぷりに感動した。やっぱりバトルがあるとレースはおもしろい。タクマものすごい集中力やった。目の前に邪魔がなかった3ラップ、0.001秒しかばらつかない。あの情熱的な走りでこの精密さ。天才とおもたよ。でF1もおもろいけれど、サカイくん、モトGPもみてみてみ。すげーよ。問題は地上波でみられないことか(except関東地区)。

2004-6-18-fri >>> 19-sat
 小泉先生の調査の手伝いで長野県の菅平へ。ここには筑波大の実験施設があって、刈り取りの継続によって維持されたススキ草原がある。草原萌えー。アヤメが花盛りでよい感じだった。タヌキかなにかの頭が落ちていた。まだ毛や肉もついている。匂う。これにシジミチョウの類が群がっていた。こういうものをみるとうれしくなる。(>写真・ヒトによってはグロと感じるかも。動物の死体が苦手なヒトはクリックしないように)
 筑波大の宿泊所には鞠子研のメンバーがいたらしい。知ってる人もいたらしい。ニアミス。
 18日の昼は本州中部に分布するソースカツ丼をたべ、夜は豪華な中華を食べ、19日の昼は碓氷峠名物を食べた。碓氷峠名物といってもアプト式とかEF63ではなく、って鉄分の濃い単語を織り込んでみたりする。よいものばかり食べた。ええやろ。

2004-6-17-thu
 図書館に行って文献をがーがーきーきー複写する。集密書庫をうろうろしていたら昭和20年の『科學』を見つけてちょっと息抜き。その巻頭言に「科學と自由」と題する一文があった。8月15日から2ヶ月ほどたったころに書かれた文章である。B5版の1ページにびっしりと。
「聯合軍司令官によつて手嚴しく命令される諸取締法令の撤癈によつて、今さらながら如何に我々が“自由”から遠く隔離監禁されてゐたかを知つて驚くのである」
「確實なことは、封建主義國家、軍國主義國家に於いては科學は甚だしく歪曲されざるを得ないと云ふことであらう」
「科學は元來自由を欲する。否自由の天地の下でなければ科學は科學たり得るもでない。そこには情實も許されなければ強權も通用しない」
「今後の日本の政治こそは我々が全力を盡して巧みに運營していかねばならぬ責任がある。この責任は當然現在の科學者にもかゝつてゐる」

ラブ アンド ピース。

2004-6-16-wed
 マレーシアのフィールドワークに発つヤシロを小牧の空港まで送る。調査道具が大量なのでバスでいくのが大変だから。中部国際空港がオープンしたら小牧から飛ぶことはなくなる。常滑は岐阜や滋賀からでは不便すぎる。みんなで使うものを端っこに造るのは合理的なのだろうか。せっかくなのできしめんを食べた。
 文献を探したり読んだりしていると、ほんとうにたくさんのレンガが積み上げられているなあと感じる。

2004-6-15-tue
 論文紹介ゼミ。まず日本の海浜植生研究の流れをおーまかにまとめて、自分の研究の位置付けを整理、そのあとで遷移に関するクラシックな論文を紹介。うーむセミナーとしてはイマイチだった。クラシックを1本紹介するのをやめて、その分レビューをちゃんとすればよかったような気がする。この期に及んで修行のたらぬことよ。

2004-6-11-fri >>> 13-sun
 英語を読むのが遅い。奇病(英語を2行読むと眠くなる病)が治らん。治す薬をもとめて富山の置き薬メーカーにメールを出すがこれとてもマボロシ、奇病の症状に過ぎない。
 古い論文は読みにくい。IMRAD形式の良さを実感している。
 土曜日、イナトミねーさんの持ってきた食材でカリーライスをつくる。イナトミねーさんがおもむろに新聞紙と段ボールで鍋を包んでいる。保温調理を試みているのだ。僕のエマージェンシーふとん(銀マット)を供出した。銀マットでくるまれたアルミ鍋のなかで食材はそのテクスチャを変化させているはずだ。甲斐あってカリーライスは旨かった。
 日曜日、かむけんの買ってきてくれた芋ようかんを食べる。芋ようかんは歯並びを調べる用途に適している。鏡では見られない角度からの観察を可能ならしむる。いまさら歯並びを知ったからといって何をするわけでもないけどな。
 最近、日記がとどこおりがちだが、日記が滞っているときは研究も滞っていることに気づいた。日記がつづいているときは、多少なりとも順調なときだ。だから日記がとどこおっているときには、しっかりせんかいと自分を叱ることにした。

2004-6-10-thu
 平日の定休日。うちの近所はちょっと車で走るだけですごいところに出る。鈴鹿山脈の外れの山村。ほんの数軒の民家。廃村と聞いていたが、まだ人の住んでいる家が一軒だけあるようだ。村はずれの山の神社へ行く。神社のまわりはミズナラやいろいろなカエデやミズキなどの優占する林。林床に石灰岩がぼこぼことあって、どうやらこれはカルストみたい。カルストというと草原に岩がぼこぼこという風景を勝手に想像するが、森林となっている場所も当然あるわけだ。教科書の写真が草原なのは、分かりやすいからだろうな。にしても。ここがかつては珊瑚の海だったなんて信じがたいことだ。神社の近所にあるはずの築城主不明の中世の山城を目指すが事前の下調べの不足のため到着できず。リベンジを誓う。アカゲラ、アオゲラ、アオバト、オオルリ、トラツグミ、ツツドリ、ホトトギスがそこかしこで鳴いていた。アカゲラのドラミングがみごと。山を下りながらナガバモミジイチゴの実を集め、家に帰ってジャムを作った。夜、近所の川へホタルを見に行く。充実の定休日。

2004-6-9-wed
 今日も文献を読む。僕は英語を2行ほど読むと眠り落ちるという奇病に罹っている。むりやり目を開いて読みつづけようとすると、こんどはいろいろなマボロシが見えてくる。あまつさえ幻聴すら聞こえてくる。ここで歯を食いしばって耐える。寝るな、寝たら死ぬぞ、ぱしぱしぱしっ。湿度の高い雪洞の中でブリザードのすぎるのを待ちながら必死で眠気とたたかう。やがて風が止む。残り少ない燃料で沸かしたコーヒーを飲み、ほんの少し回復した体力を頼りにアルファベットの雪原をラッセル。だが2行進めばまた猛烈な睡魔。ベースキャンプはまだ数キロの先だ。わが隊は生きて再び母国の土を踏みしめることができるのか。英語の文献を読むだけでどうして僕はスコット隊になるのか。
 釧路の要旨。英語のタイトルが必要だった。あわてて作る。前置詞がaboutなんかforなんかどっちかなと迷っていたら、英語堪能なポスドクの方がふつうはそこは"in"だね、と。ありがとうございます。昼頃無事にJ-stageを克服。

2004-6-8-tue
 セミナー延期。最少催行人員を割り込んだ由。聴衆たる学生が一人きりじゃね。
 一週間伸ばす分よい発表を期待します、って期待されてしまいました。さあそれはどうかな。

2004-6-7-mon
 梅雨らしい雨天である。湿度が高い。温帯モンスーン気候を堪能。
 こういう日は体の表面がちょっとべたべたする。僕には潮解性があるからだ。うそだ。
 セミナーの準備をすすめているが、なかなかはかドリアン。釧路の要旨書きに逃避。さくっとな。指導教官にチェックしてもらってまあええか、と一応OKをいただく。
 いつも有益な情報をもたらしてくれる神戸大武田研の謎のOB、松村俊和さん(愛称まっつー)からGoogleのヒントをいただいた。「ボウムギ-コウボウムギ」で検索すればノイズィーな「コウボウムギ」を除外することができるそうだ。ほかにもいろいろグーグルの小技を教わった。いつもおおきに。

2004-6-6-sun
 つゆいり。当分のあいだ極前線に支配される。週間天気予報をみると金曜までお日さんはでてこない。降り続く雨。これはこれで美しい日本。ただオートバイや自転車に乗れないのが残念だ。
 文献を読む。自分の研究によく似たことを、しかももっともっと緻密に20年前にやってる人がいて、おーう、と唸った。ジェリーに痛い目にあわされたときのトムのような言い方で、おーう、と唸った。だいじょぶ。僕には僕のおりじなりて。文献は何報かまとめてよむとどんどん味わい深くなるな。ええかんじ。
 ボウムギ疑惑。いままでネズミホソムギとしてきたLoliumがわかんなくなった。徳島に行ったときに標本を大量にとった。花粉にくるしみながら同定する。花粉のために集中できない。包穎の長さは小穂より短いが、小穂の半分よりは長い。葉耳はあるものとないものがある。図鑑の検索表と本文とでびみょうに説明が食い違う。海外のホームページのボウムギの写真と平凡社イネ科図譜の絵にはギャップがある。比較表をつくって整理してみる必要がアルバータ州。鼠と細は混じると聞くが、さらに棒もまじるのだろうか?
 「ボウムギ」でぐぐると、半分くらいは「コウボウムギ」。なんとノイズィーな。
 ひさしぶりの休うどん日。
 愛知の言霊に“Do you have a honda?”とあった。はいもってます。でもうちにはホンダが2台あります。こういうときはこの質問にイエスってこたえるのかノーってこたえるのかどっちですか。英語の神様。

2004-6-5-sat
 応用生物科学部の探鳥会。ほとんどの人がオオルリ見たようでなにより。この探鳥会は鳥ヲタの集まりじゃなく初心者中心なのでマッタリとしていて楽しい。目を三角にしてる人が一人もいないので。
 午後は見塩さんちで僕の自転車の再生作業。川窪さんからハブの分解整備の指導をうける。長年雨ざらしでハブベアリングのグリスがすっかり流れ去っていた。丹念に掃除してミシュランの高級グリスを塗りこんだ。組み付け方がわからなくなってしまい何度も組みなおした。よい勉強になった。サビサビのスプロケットの錆びを、恐れ多い、見塩さんが落としてくださった。身に余る光栄、ありがたき幸せ。整備の終わった自転車に乗る。クランク半回転で「あ」と声がでた。いままでと全然ちがう。なんなんだこの軽快感。うれしさあまって伊自良湖まで往復。川窪さん見塩さんありがとうございました!真鍮ブラシ、すぐに購入します。
 自転車がいいちょうしになったらこんどは単車をいじりたくなってきた。課題は山積みだが資金不足で手が出ない。428のチェーンが8000円。買えん。
 金と暇。俗物にとっての永遠の課題。双方から遠ざかる方向に歩む僕は聖人かも。
 蒼樹書房貧乏。月のはじめから残金が5000円。やっぱ聖人かも。
 火曜はセミナーで論文紹介の順番が回ってくる。日本の海浜砂丘植生研究の流れをでででんとまとめる予定。次に論文紹介が回ってきたら世界の海浜植生の研究史を一挙公開としようと目論んでいる。
 その前に、釧路の要旨を書かんと。

2004-6-4-fri
 気がつけば長きにわたる放置。いつの頃からかほったらかすことを「放置プレイ」というのがすっかり世間で定着したが、本来これは淫靡でディープな世界の符丁だったはずだ。おまいらわかって使ってるのかと小一時間。←こっちはメジャーな世界なのになぜか住民たちだけがマイナーだと信じて疑わない世界のジャーゴン。マイナーなわけないやん。もうずーっと人大杉ってのに。
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 そんなわけで近況報告がてら、ながいながい放置期間に何してたか、思い出すかぎり羅列するめいか。

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 以前、コイの産卵のことをここで書いたときに「あれはのっこみっていうんだぜセニョール」って教えてくださった方に、日々粗忽で名前を出していい?ってたずねたらおっけーよんという返事をいただいた。ずっとまえにいただいていたのに放置。ごめん。教えてくださったのは筑波大学鞠子研究室M1の山内綾香さん(愛称あやや)。ハンゲショウの葉っぱの白い部分に着目しておもしろい研究をしている人です。博物屋さんな人なのでお話してもおもしろいです。山内さんのメールを引用↓↓↓

霞ヶ浦・北浦では、魚が産卵のためにヨシ原や田んぼなどの浅瀬へやってくることを、「のっこみ」とか「はたき」と呼びます。
だから、「コイののっこみ見に行こう」てな具合に遊びにいきます。(今年は見に行けなかった…。残念。)

 これだけでもおもろい人っぷりがぷりぷりにじみでてるでしょ。山内さんは夏の釧路で発表するらしいからみんなで聞きにいこう。チェケラッ。
 そうそう、山内さんから、メダカは元気か、との質問もいただいていました。卵が産み落とされて約10日目の5月7日あたりからぽつぽつと孵化しました。いまは少なくとも6匹のおちびちゃんがぴくぴく育っています。かわいいっす。

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 コイばなに関して、もう一人メールをいただいておりました。神戸大武田研の謎のOB、松村俊和さん(愛称まっつー)からです。まっつーのメールを引用↓↓↓していいよね?

「コイ・産卵・モロだし」でgoogleしました。みごとにヒット!
おめでとうございます。ちなみに、ちょっと前は引っかかりませんでした。

 ちなみにメールをもらったのは5月18日でした。いわれたとおりググって見たらやっぱりヒットしました。ほんまグーグルすごいわ。そうそう、まっつーの2004年6月1日の日記がちょっとおもろい。僕も似たことを考えていた。植生学も含め群集生態学の目的って「種数や種の分布パターンが種間関係や無機的環境の働きによりどのように決定されているかを明らかにすること」だ(宮下・野田 2003「群集生態学」東京大学出版会)。んでその目的のために、研究対象とした生物群集を構成する「種」はその生態的特性の類型や単なる種数といったものに置き換えられ一般的な議論へと発展することがある。一方で具体的な「種」「種組成」そのものが重要である場合がある。種組成の記載を目的としているときや、ある種の保全を目的としているときなどがそうなんだろうと思う。結局目的によるんやろうなあ。ってこういうことをこっちでかいてみたら、なんとなくこれってブログ?ってブログがなんやら分かってないんです僕。おほほ。

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 先週の土曜日、徳島へいってきた。徳島の保全生物学研究会が主催の講演会を聞きにいったのだ。講師は東大の清野聡子さん。まえから面白そうな人だと思って興味があったので。やっぱりおもしろかった。闘う研究者です。でも戦闘的ではなくて、とっても社会的というか、相手の懐にとびこんで気が付いたら相手をまるめてるような闘い方。こういう行き方(生き方)もある。講演の内容は研究の話ではなく、どっちかというと市民の自然保護のやりかた指南、法律とか役所とかとのうまい付き合い方指南って感じで、全国各地の事例を紹介するというものでした。古い写真から古老の話を聞き出していったり、写真から昔の海岸の勾配を読み取って海岸設計に活かすって話はとてもおもしろかった。古い写真を使って記憶を呼び覚ますやり方は、滋賀県琵琶湖博物館の嘉田さんとも共通の手法やなあ。
 徳島へ行ったので当然のことながらラーメンとうどんを食べた。

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 妹が子を産んだというので徳島の帰りに実家に立ち寄った。昼日中から血中アルコール濃度の高い親父があいかわらずの親父っぷりで。
 春をすぎていまだ学生の僕にこう言った。
 「おまえはほんまにべんきょー好っきゃなー。わしらべんきょーや大っ嫌いやったけどなー。
  やっぱりおまえは母さんの血を吸うとるな。」
 吸うてどないする。わしは蚊ァか。ブヨか。

 つづけてこう言った。  「おまえ、学生やったら・・・、塩昆布たべるやろ」
 塩昆布くらい学生でも学生やのうても食うやろ。何を言いたい。
 どうやら「学生やったら金ないやろ。うちに塩昆布がようさんあるさかい持っていけ」と言いたかったらしい。うう。おおきにありがとう。ほなもろていぬわ。

 というわけで塩昆布をぎょうさんもろた。


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 あ、ちなみに「ほなもろていぬわ」というのは「それじゃあもらって帰るよ」という意味です。わんわん。

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 朝早く学校にきて文献を読んでいたらボスがやってきた。なにかいいことがあった顔をしている。
 なんですか。
 外でモグラが死んでるよー、見たい?
 そういう話なら見たいに決まってます。すぐに玄関へむかう。建物を出ようとしているとminacoさん(仮名)登場。3人でモグラの死体を見に行った。おお。新鮮。でっかー。うーん。ええ手してますなあ。歯がちっさくてかわいいでつ。と愛でつつ。おもむろにポケットからビニール袋。当然お持ち帰り。
 事務室のおねーさんがたにお披露目した。一人はケータイで写真をとった。腹面と背面と両方。ダーリンに写メールするらしい。事務のおねーさん意外とおもろい。みんなやっぱりモグラにはきょーみしんしんなんやな。あまり見ないからか。
 とりあえず冷凍庫にいれた。皮標本をそのうち作ろうと思う。食材の入ってる冷凍庫じゃないから、みんな安心いたせ。

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 ボスとぼくとが話をしていたら、農学部のくゎんさんがやって来て言った。
 「え?いまからじゃがりこ買いに行くんですか?」
 ボスとぼくは「Journal of Ecology」の話をしていた。「ジャナエコ」と「じゃがりこ」。びみょーな。

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 昭和の香りがぷんぷんする商店街のうどん屋へ行って「みそころうどん」を食べた。ころは前にも書いたけど、ひやした麺類を指すこのへんの言葉。そしてさすがは豆味噌文化圏、みそころうどん。はじめてたべた。冷やして水を切ったうどんにキュウリやらが乗っていて肉味噌がでーんとかけてある。めちゃおいしかった。店内も昭和が香り立っていて、木製のおかもち(それも日に焼けててかてか光ってる)が棚にずらっとならんでいたり。食べてる最中に店の前を路面電車がごろごろと走っていったりする様もそこはかとなく昭和。ああ遠くになりにけり。この象徴的な昭和っぷりはさしずめ40年代ってとこでしょうか。また行こ。中華蕎麦300円、天ぷら中華蕎麦420円、っていう価格もちょっと昭和でしょ。っていうか、天ぷら中華蕎麦って何?

 今日は書きすぎと思う人。

 はーい。




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