津田研究室

岐阜大学 流域圏科学研究センター

ぎゃらり 83(2014年 白山と白川郷)



 ちょっとした経緯があって,白山ユネスコエコパークの学術部会委員というのを引き受けています.11月に白山ユネスコエコパーク・リレーシンポジウムというのがあって,学術部会のメンバーが交代で白山の魅力について話をすることになってしまい,講演用の写真もほとんど無いので,慌ててネタ探しと写真撮影のために白山エリアに出かけました.もう10月なので,白山の高山帯まで行くには時期はずれですから,スーパー林道周辺のブナ林や白川郷などをまわってきました.

  
紅葉のブナ林
(2014.10.15 S.Tsuda)


 
(左)白川郷の合掌集落. (右)山門と庫裡が茅葺きになっている南砺市の行徳寺 
(2014.10.15 S.Tsuda)


 
ススキとカリヤス 
奥の白い穂がススキで,手前のやや灰色がかって見えるのがカリヤス.
この地域にはカリヤスが自生していて,かつては合掌造りの屋根材にも使われていました.ススキを大萱または男茅,カリヤスを小茅または女茅と呼んでいたようです.カリヤスの方がだいぶ華奢なので,屋根材としてはススキよりも高級品だったはずですが,今はほとんど使われていないようです.白川郷などの世界遺産・文化財の葺き替えでは,地域内ではススキすらまかなえず,富士山麓からススキを買っているそうです.ユネスコエコパークの理念・条件から考えても,地域内で材料をまかなうべきだとぼくは思っています.しかも,せっかく良いものがあるのだから,ススキだけでなくカリヤスも利用できるように工夫していくべきでしょう.
(2014.10.15 S.Tsuda)


 
ススキとカリヤス 
ススキ(左)とカリヤス(右)の穂先. 
(2014.10.15 S.Tsuda)

 

 

ぎゃらり 83

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