日々粗忽 in Montreal


2005年8月7日(日) 移動:家→モントリオール

ノースウェスト航空72便,名古屋→デトロイト,ボーイング747-400.座席は3-4-3の10列のうち左から6番目.窓側ではなかった.旅行代理店の方が通路に近い席をとってくださったようだ(世間では通路側が好まれるらしい).しかし僕は窓際派.飛行機に乗る楽しみの一つは,日常見ることのできない視点から風景を楽しむことだ.まして国際線は異国の空から異国の地表を眺める千載一遇の機会.残念ながら今回は景色を楽しめないので機内上映の映画を楽しんだ.英語に耳を慣らそうとしたが,1本目の映画"Guess Who?"のセリフは皆目聞き取れなかった.2本目の"Ice Princess"は,かろうじて.こんな英語力でいんてこる行って大丈夫?

岐阜大の流研センターからは,小泉研ポスドクのLeeさん,小泉研博士課程学生のヤシロとminacoさん(仮名),そして津田研から僕,以上4人がいんてこるに参加した.僕はヤシロとminacoさん(仮名)と飛行機・ホテルをいっしょにとってある.この二人はこれから飛行機で外国に行くというのに落ち着き払っていて,席につくなりすやすやと寝てしまった.僕は興奮して眠れないのだが.この二人は日頃から海外で研究をしているからか,外国に行くというのに気負いがなさすぎる.おまいらは兼高かおるか.

機内で発表原稿の手直しをした.ポスター発表ではあるが,いざ説明をもとめられたときにすっきりとしゃべれるように,発表原稿を作っておいたのだ.ところがその原稿でしゃべってみると10分近くかかる.5分以内で説明することを目標に推敲した.

約12時間の飛行でデトロイトに着いた.ここでモントリオール行きの飛行機に乗り換える.飛行機を降りてからは米語を話す人が優占種.まるで映画の中にいるような音環境でおもしろい.アメリカ合衆国ははじめてなのでこの音環境を味わうのも初めてだ.空港内には派手な店,派手な商品,そして飛行場の建物の中だけを走る鉄道.消費の国,資本主義のメッカを実感.

ノースウェスト航空1104便,デトロイト→モントリオール,ダグラスDC9.座席は2-3の5列のうち左から2番目.かなり後ろの席だったので離陸時は胴体マウントのエンジン音が耳をつんざく.モントリオールの空港が近づくと飛行機は高度をさげ,雲の下に出た.セントローレンス川は湖のよう.大きな河畔林.ところどころ河岸に砂浜があり,砂浜好きとしては興奮せずにはおれない.平地には集落と農耕地と林がモザイク状にちらばる.ノラ・ムラ・ヤマのユニットの配置はなんとなく花巻空港に降りるときに見たそれに似た感じ.つまり散村.

空港からモントリオールの市街地中心部にあるホテルまでタクシーを利用した.カナダの交通マナーはよいと聞いていたが,とんでもない.どっちかというとバンコクとか大阪に近い.モントリオールはカナダのなかの例外なのかもしれない.ケベック州だし.

ホテルにチェックインしたのが夕方5時過ぎ.夜は8時過ぎても明るいので,5時過ぎは昼の明るさだ.いんてこるの会場へ向かった.受付にたくさんの人が続々と集まってくる.参加者の雰囲気,服装,リュックサック率,ヒゲ率などは日本生態学会とよく似ている.生態学者のにおいか.なじみやすい雰囲気だ.規模は大きい.日本生態学会大会の5倍以上といったところか.

会場であるPalais des Congress de Montrealは大きくて立派な建物だ.ガラスの色遣いがすごい.中学生のころ,パリのポンピドーセンターを美術の教科書で見ておもろいなあと思ったが,ここもなかなかの建築だと思う.日本の街にはとけこまない感じ.(この建物を紹介するサイトがあった)

受け付けのあとWelcomeMixerというプログラムに参加した.簡単な懇親会のようなものだ.あちこちで参加者たちが再開を喜び合ったりしている.でもこの場所に知り合いのいない僕は,たまたま同じテーブルに座った人と挨拶をするぐらいで,あとは日本人としゃべってるだけ.おいしいオードブル(無料)をつまみ,ビール(有料)を飲んだ.同行の人々はホテルに引き上げていったけど,僕はまだ元気がのこってたので出版社のブースを見て歩いた.たくさんの本が並んでいるが砂丘植生の本はみあたらない.タイトルにCoastalとある本は数冊あったけど,潮間帯がメインで,砂丘の話が載っていても全体の1割に満たないものがほとんど.出版社のブースが思いのほかたくさんあって気づいたら9時をまわっていた.睡眠不足のせいもあり,このころには立っているのもやっと.ふらふらになりながらホテルまで帰って寝た.

受付で大会要旨集やパンフレット類などの入った白とえんじのトートバッグを受けとる.これは「いんてこらーバッグ」略して「こらーバッグ」と呼ばれる.左の写真でこらーバッグを持っているひとはすでに受付を済ませた人だ.こらーバッグは,会期中,モントリオールのあちこちでみることができた.

おもしろい色遣いのガラス.

Welcome Mixerでは生演奏があった.



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