木曽川vs吉野川_地質が違えば川も違うんです。

投稿者: | 2015-07-01

原田です。川のことは川の中だけ見てても良く分からず、流域の地質や地形とセットでモノを見る大切さを日々痛感します。

研究室の学生らにそのようなことを力説していたのですが、学生さんの移動範囲では、いろいろな川を比較してみるということもあまりないと思うので、私が見てきた日本の川の中で、地質の影響が如実に出ていると思う写真を探してきました!(決して暇なわけではありませんよ。)

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一つ目が、コレ。木曽川上流域。南木曽の桃介橋からの風景です。(2015年4月撮影)

巨石がゴロゴロしてます。これは花崗岩です(たぶん・・・花崗閃緑岩かも・・・)。

木曽川の上流域は領家帯の花崗岩に結構な範囲が占められています。もっと上流は少し違います。

そして、花崗岩がほどけた砂(真砂)が巨石の間にたまってます。花崗岩帯の川は、巨石と砂の二極化した世界なのです。

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二つ目がコレ。吉野川、四国の水がめ早明浦ダムの上流域の風景です。(2012年3月撮影、藤田先生と一緒に行きました)

こちらは角ばった巨石がゴロゴロしてます。一つ一つが、ダンプカーくらいの大きさがあるんです。一番でかいのは3階建てのビルくらいあります。

実際にその場で見たときは、この世のものとも思えない風景に震えました。

吉野川は中上流域が三波川帯の泥質片岩に占められています。三波川帯は、関東から中部、紀伊半島、四国、九州にかけての中央構造線沿いに分布する変成岩帯です。庭石なんかに良く使われてますね。

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どうですか?

しかも、下流に行くまでの間に、大きなまま残ることができる硬い岩と、ぼろぼろになって砂やシルトになってしまう岩があるんですよ。

川の地形を作っているのは土砂、土砂のもとは、山を作っている岩です。

川を見るときゃ地質とセットでみましょう。

・・・地質の興味の湧いてきたあなた!

地質図ナビで、日本の地質がどうなっているのか、見てみましょう。

https://gbank.gsj.jp/geonavi/