お役立ち豆知識②「地震災害の特徴」 


「地震災害の特徴」 ー繰り返される甚大な被害ー

  世界では、さまざまな自然災害が毎年発生し、多くの人が亡くなったり、その被害により生活する上で大きな影響を受けています。自然災害はアジア地域で多く発生していること、中でも地震災害は他の自然災害と違う特徴があることを統計資料から見てみましょう。なお、この解説で使用している図の2~4は、「Asian Disaster Research Center」によって発表されている数値を集計し、グラフ化したものです。図1は、「Asian Disaster Research Center」によって発表されている図をそのまま引用させていただきました。

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図1 世界の自然災害発生件数(1975-2011年)[クリックで拡大]

 図1は、1年あたりの世界の自然災害発生件数を示したものです。過去10年ほどの災害発生件数は年間400件を超えていることがほとんどです。これは、世界における人々の活動領域が広がったこと、また人口集中によって、災害に対する都市部の脆弱性が高まったことが要因です。

 

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図2 世界の災害別災害数の割合(1975-2011年)[クリックで拡大]

 図2は、いろいろな自然災害の発生件数の割合を示したものです。最も多いのが洪水災害で33%、次に暴風災害で25%、地震災害は4番目で9%となっています。

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図3 世界の災害別死者数の割合(1975-2011年)[クリックで拡大]

  ところが図3を見ていただくと、災害によって無くなる人の数の割合は、地震が34%で原因のトップになっています。つまり、地震は発生件数こそ他の災害に比べて少ないのですが、一度発生すると、甚大な人的被害を及ぼすということが分かります。これが地震災害の特徴です。

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図4 世界の地域別被災者数の割合(1975-2011年)[クリックで拡大]

  次に、世界各地の自然災害による被災者数の割合を見てみましょう。図4に示されるように、1975-2011年の37年間で65億人以上の人々が、何らかの自然災害によって、生活に影響を受けています。そして、地域別にみると、アジアが圧倒的に影響を受けているのです。

  アジア地域にすむ我々は、自然災害を避けて通ることは難しいと言えます。そして地震災害は現状ではまだ予知は難しく、さらに、ひとたび発生すると深刻な被害をもたらします。

 しかし、地震災害はまた、事前の対策が功をなす災害でもあるのです。日本において何度も繰り返されてきた地震災害です。他人ごととは思わずに、今日にでも発生するかもしれないという想いをもって、住宅の耐震補強、災害グッズの準備、避難所の確認など事前対策に取り組んで下さい。

地震対策、いつやるの?今でしょ!