当センターでは、幅広い分野の研究者が、外部の研究者・技術者・行政機関と協力しながら、山地から平野に広がる『流域圏』での自然環境要素と人間活動に着目した研究を行っています。これら多岐に渡る分野の調査研究の分野融合を促進し、流域圏が抱える多様な環境問題への適応と解決に取り組みを進めています。
この新しい実践的環境科学 《流域圏保全学》 の醸成を図るため、センターに所属する研究者が参加したワークショップを、12月と1月の2回にわたって開催しました。
第1回では、各研究者が進める研究テーマや、今後共同研究によって取り組んでいきたいテーマ、計約50テーマを素材として、流域圏科学から保全学への発展・展開の方向性と、流域圏科学を構成する研究領域について、グループ討議を行いました。近年の各研究分野での取り組みの進展や、社会環境とニーズの変化を踏まえた活発な議論がグループごとに展開され、流域圏科学・保全学の位置づけや、これを構成する分野融合的な研究領域の構想について、各グループから提案がなされました。
第2回では、第1回の結果を受けて整理した4つの研究領域をたたき台として、各研究者がいずれかの研究領域に所属した状況を想定してグループ討議を進め、各研究領域における基礎から応用に至る研究の発展の方向性について議論したほか、さらに、研究領域間の協働による研究、外部との共同研究により推進する研究テーマ、研究成果の社会実装について、グループ討議を行いました。各研究者の意見やアイデアによって、分野融合によって生まれる研究プロダクトのいくつかの姿が明確になってきました。
《流域圏保全学》 の醸成に向けたこのような活動を、今後も継続的に実施してまいります。
また、当センターでは、ワークショップの成果も踏まえて、次年度の共同研究の公募を近日開始する予定です。