津田研究室
岐阜大学 流域圏科学研究センター
植生資源研究部門・植生管理研究分野
研究室の紹介
◆ 東日本大震災被災地の支援 ◆
2011年3月11日の東日本大震災で被災されたみなさまに対して心からお見舞い申し上げます.
ぼくたちが東日本大震災の被災地を支援する方法はいくつかあると思います.たとえば,義援金として現金を寄付したり,ボランティアとして被災地で汗を流したりすることもできますし,被災地の自然の再生や被害状況の把握なども生態学者ならではの支援の仕方かも知れません.このようにいくつかの選択肢があるのですが,ぼくと妻とで選んだ方法は「積極的に東北旅行をする」というものです.被災地を実際に見ることもできるでしょうし,残された東北のすばらしい場所も見ることもできますから,思い出になることは間違いありません.東北に宿泊し,食事をし,土産を買うことで,わずかではありますが経済的支援にもなるでしょう.そんな風に考えて,しばらくのあいだは東北旅行をしたいと思っています.
■ 研究室の概況
岐阜大学の津田研究室では,おもに人と関わりのある生態系(二次的な生態系)を研究材料にし,攪乱の要因と植生の構造や再生のメカニズムなどの関係を研究しています.
研究内容をキーワードであらわせば,「植生」,「群落」,「二次林」,「半自然草原」,「攪乱」,「火」,「埋土種子」,「自然再生」,「保全」などになるでしょう.津田個人はファイアーエコロジスト(ファイアーエコロジーの研究者),つまり火と生態系の関わりを追究していますので,山火事跡地の植生回復をメインテーマにしていますが,最近は半自然草原再生の仕事の方に多くの時間を割いているのが現状です.
■ メンバーと研究テーマ (今は津田本人しか所属メンバーがおりません)
津田 智(准教授)
- 山火事跡地における植生の修復過程
- 半自然草原の再生
- 日本の焼畑と雑草群落
- 埋土種子集団と植生との関係
■ 過去のメンバーおよび在籍してた頃の研究テーマ
安島 美穂(2000年学位取得.今は子育て中の主婦なので研究は休業中.ハンドソーティングによる埋土種子分析のエキスパート)
- ヨシ群落の維持に果たす埋土種子集団の役割
- ドクゼリの生活史と種子の発芽特性の関係
- 林床にAcanthusが生育する立地におけるマングローブ実生の定着に関する研究
- 小清水原生花園の管理法として火入れや放牧を導入した場合の植生に与える影響についての研究
- 山火事跡地の埋土種子集団の研究
澤田 佳宏(2006年学位取得.現在は兵庫県立淡路景観園芸学校に勤務.いつでも「保全」を意識して研究) 日々粗忽succession参照
- 防波堤工事後の海浜植生の回復過程
- 海浜植物種子の発芽休眠特性および散布特性
■ 一時的に津田研に在籍していたメンバー
となりの部屋の住人だった小泉教授が転出したことにともない,小泉研の学生さんたちを一時的(長い人は2年半)に全員あずかっていました.小泉さんにかわって津田が博士2人と修士2人に学位を出し,博士の研究員を2人受け入れていました.
(旧小泉研)八代裕一郎(津田研D3,2008年学位取得 → COE研究員)
・マレーシアにおける土地利用変化とN2O flux
(旧小泉研)Dhital Deepa(津田研D2-D3,2010年学位取得 → 特別協力研究員 → 帰国)
・Carbon dynamics and budget in a Zoysia japonica Grassland
(旧小泉研)西脇 愛(津田研M2 → 就職)
・20年生の冷温帯落葉広葉樹林における土壌圏炭素動態の解明
(旧小泉研)志津庸子(津田研M2 → 景山研D1)
・2次遷移初期の冷温帯落葉広葉樹林における炭素動態の解明
(旧小泉研)近藤美由紀(津田研特別協力研究員 → 国立環境研)
・安定同位体分析を用いた冷温帯落葉広葉樹林における炭素動態の解明
(旧小泉研)李美善(学振特別研究員 → 帰国)
・森林土壌における酸素と二酸化炭素の交換フラックス
ちょっとした記録と記憶
■ 写真集(ギャラリー)
■ 学術集会以外でお話ししたことの記録(講演記録)
講演記録には学会などの学術集会ではない集りでお話しした講演の記録を集めてあります.おもに津田研で調査地にしている地域の住民を対象とした「一般向けのシンポジウム」や「勉強会」などでお話ししたものです.一般の人に向けてお話をすると,たいてい「講演内容の資料がほしい」と言われます.そこに行けばpdf化した発表原稿などが閲覧できるようにしてあれば,発表を聞いて興味を持ってくれた人に資料を提供できると考えたわけです.津田の講演だけでなく,いっしょに発表した研究者の講演も含まれていたりします.
■ 雑記帳
雑記帳には比較的どうでもよいものを掲載してありますので,ものごとを非常に真面目に考える方の閲覧はご遠慮ください.
情報掲示板
仲間の研究者や研究上の知り合いなどから寄せられた情報・ニュース・ちょっといい話,などを掲載していこうと思います.時間経過とともに情報が古くなり,すでに意味をもたなくなってからもしばらくの間は掲載しておくことにします.悪しからず.
- 2012年1月に茨城県菅生沼のオギ群落とヨシ群落で実施される予定の 野焼き についての情報(2011.12.13掲載)
- 2011年10月熊本県阿蘇市で開催予定の 自然再生講習会 についての情報(2011.9.27掲載)
- 2011年10月秋田県男鹿温泉で開催予定の 「寒風山植物標本展」 についてのご案内(2011.8.26掲載)
- 2011年1月に茨城県菅生沼オギ原で実施される予定の 野焼き についての情報(2010.12.14掲載)
- 2010年12月に静岡で開催される 自然再生講習会 についての情報(2010.11.17掲載)
- 2010年12月に京都で開催される シンポジウム についての情報(2010.11.12掲載)
- 2010年1月に茨城県菅生沼オギ原で実施される予定の 野焼き についての情報(2009.11.24掲載)
- 2009年10月に軽井沢サクラソウ会議主催で実施される予定の 風土フォーラム についての情報(2009.9.24掲載)
- 2009年1月に茨城県菅生沼オギ原で実施される予定の 野焼き についての情報(2008.12.4掲載)
- 2008年11月に秋田県男鹿温泉で開催される 寒風山シンポジウム についての情報(2008.11.14更新) →シンポジウムを終えて
- 2008年8月に広島県北広島町で開催される はらっぱ談義 についての情報(2008.7.30掲載)
- 2008年9月に開催される 阿蘇の研究集会 についての情報(2008.6.12掲載)
植物標本庫の紹介
岐阜大学流域圏科学研究センターには,3つの植物標本庫があります.ひとつは,高山試験地の標本庫で,主に飛騨地方で採集された植物の押し葉標本が収められています.当センターの前身であった岐阜大学農学部山地開発研究施設の標本は,ここに引き継がれています.新規の標本番号を付けると同時に当時の標本番号もそのまま継続されています.ふたつめは,当センターの標本庫で,主に津田研・西條研・旧菊池研・旧小泉研の調査地とその周辺や旅先で採集された植物の押し葉標本が収められています.地域による偏りが大きく,なぜか北海道,秋田,神奈川,長野,沖縄あたりの標本が多数派です.みっつめは,津田研究室の種子標本庫です.果肉等を外して乾かした種子を小ビン(種子サイズが大きいと大ビンやアクリルケース)に詰めて,いつでも観察できるように保存しています(種子標本の保存の様子も公開しています).
これら押し葉や種子の標本管理には主に津田研究室があたっています.所蔵されている全標本のデータがコンピューター登録されるまでにはまだ少々時間がかかりそうですが,これらの標本庫に収蔵されている標本の一部を暫定版の目録として公開しています.また,標本点数が比較的多い地域の植物リスト(一部)も公開しています.
ニッポン全国火事(山火事,野焼き,焼畑)マップ
津田研究室では「火の影響下にある生態系」の研究をおこなっています.山火事跡地の植生の研究のほかに,火入れによる植生管理や,焼畑についても研究をしています.具体的な研究内容については,いずれ少しずつ紹介していくことを考えていますが,とりあえずフィールドの情報を提供しようと考えています.
「野山に火がつくこと」の代表格は林野火災などとも呼ばれる山火事や野火でしょう.全国各地で過去に発生した山火事・野火のおもなものを山火事マップとして紹介しています.また,伝統的な火入れによる二次草地が減少している一方で,草原再生・景観再生の手法として新たに火入れを採用している場所が少しずつ増えていますので,そのような野焼きの情報を公開しています.さらに,もうほとんど事例がないのですが,焼畑の情報も合わせて公開しています.
- 「山火事」マップ(2008.1.15公開開始,2009.4.17 更新,最新は2010.1.13版)
- 「野焼き」マップ(2005.8.31公開開始,2006.9.22,2007.3.28,2007.11.14,2008.12.1,2010.4.16,2010.9.2更新,最新は2012.1.26版)
- 「焼 畑」マップ(2006.9.22公開開始,2009.3.21 更新.最新は2010.11.24版)
- 火入れ(野焼き)草原の特徴や,火と植物・植生との関係についての解説(準備中)
■ おねがい
火事や火入れに関する情報を集めています.大規模な山火事や,草原の野焼き,焼畑に関して情報をお持ちでしたら,ぜひお知らせください.「○○年に△△haの大きな山火事があった」「昔から火入れが続けられている」「〇〇年頃から火入れを始めた」「昔は野焼きをやっていたけど今はやっていない」など,どんな情報でも大歓迎いたします.いただいた情報は速やかに「ニッポン全国火事マップ」に反映させ,このページをご覧いただいている皆様と共有していきたいと考えています.どうぞこちらの連絡先までお願いいたします.
■ 謝辞
- 寒風山シンポジウムの時に,浪岡北小学校の竹内先生と盛岡大学の齋藤先生から岩木川下流のヨシ原でも野焼きをおこなっているとの情報をいただきました.ありがとうございます.
- 野焼き仲間の増井くんと菅原くん(鳥取大)に上山高原でも野焼きをおこなっているとの情報をいただきました.ありがとうございます.
- 上越のS.Y.様から妙高池ノ平スキー場ではイベント的な野焼きをおこなっているとの情報をいただきました.ありがとうございます.
- 「芸北 高原の自然館」のK.S.様から8年間途絶えていた雲月山(うづつきやま;広島県北広島町)の山焼きが2006年から再開されたとの情報をいただきました.ありがとうございます.
- 兵庫県職員のT.M.様から円山川(兵庫県豊岡市城崎町)のヨシ焼きの情報をいただきました.ありがとうございます.
- 軽井沢サクラソウ会議のH.I.様から軽井沢(長野県)の野焼きについての情報をいただきました.ありがとうございます.
- 熊谷産業様から北上川河口(宮城県石巻市)で昔から火入れがおこなわれているとの情報をいただきました. ありがとうございます.
さろん・ど・野焼き研究者
野焼き(草原火入れ,山焼き)を材料に研究している人が,それぞれの調査内容や研究上のトピックスを紹介するページ(さろん・ど・野焼き研究者)を開設しました.プロの研究者,アマチュアの研究家,学生など,研究活動をおこなっている人の情報交換の場にしていこうと考えています.研究活動をおこなっている人なら誰でも管理者(津田)を通じてこのサイトに情報が掲載できますが,今のところ研究と関係する情報に限らせていただくつもりです.(将来は野焼き全般に拡大していく可能性はあります).開設当初は北海道の小清水原生花園の情報しか入力されていませんが,茨城の菅生沼(小幡和男さんからの情報)や岡山の蒜山高原(佐野淳之さん・菅原敬さんからの情報)における研究の様子を掲載しました.このページをご覧になって,「○○でも野焼きの研究をしている」という情報をお持ちで,このページの充実にご協力いただける方は,こちらの連絡先までお願いいたします.
津田研究室分室
津田研究室では「津田研究室分室」というのを勝手に決めています.もちろんオフィシャルな研究室ではないので,いつでも誰でも使えるわけではありません.北海道分室と長野分室があって,研究で利用したり,調査に出かける足場にしたり,大学院学生の授業で使ったりしています.
L i n k
とりあえず関係しそうなところをリンクしておきました.
以下のみっつの組織とは,調査地を含む地域で協力関係が築かれています
2010年度からたびたび名古屋市立鳴子台中学校科学部の活動を支援しています.
津田研と小泉研に学生がたくさんいた(と言っても5人くらい)時代に趣味的な活動のために作られたサークルですが,現在は活動休止状態です.
軽井沢播き出し実験
2007年9月の台風9号によって被害を受けた森林(風倒地)の植生が回復していく経過を長野県軽井沢町で観察しています.風倒被害地に出現してきた植物の中には,土壌中に蓄積していた埋土種子から発芽したものも多いので,軽井沢の熱心な人たちに埋土種子分析に挑戦してもらうことになりました.埋土種子の分析には大きくわけて「直接計数法(ハンドソーティング)」と「実生発生法(播き出し)」の二つの方法が知られていますが,軽井沢の人たちには簡単版「実生発生法」をおこなってもらうことにしました.まず,被害を受けていない森林で埋土種子集団(土壌シードバンク)を含む土壌を2009年10月に採取し,その後はプランターなどに播いて出てくる芽生えを数えてもらいます.
軽井沢で実験に協力してくださっている熱心な人たちがいつでも参考にできるページ(軽井沢埋土種子調査)を開設してあります.実験方法のマニュアルや出現が予想される芽生えの写真などを掲載していく予定です.
10月2日の第20回軽井沢フォーラムで「台風で被害を受けた林は今どうなっているのだろう?」と題した野外観察をおこなうときに埋土種子分析用のサンプリングを予定していたのですが,あいにく当日が雨天だったので大西さん(東信森林管理所)と津田の講演に変更になってしまいました.土壌のサンプリングができませんでしたので,埋土種子の播きだし実験はお預けになってしまいましたが,当日の講演を聴いた人の中には「やってみたい」という人もおりましたので,サンプリングは10月19日にあらためて実施することになりました.サクラソウ会議の有志でサンプリングをおこない,それを希望者に配るという方法で実験に取り組んでもらうことになりました.そういうわけで,ちょっと実験開始が遅れるので芽生えが出るかどうか不安ですが,とりあえずはスタートしてみます.なお,来春にでも再チャレンジすることも検討したいと思っています.
- 軽井沢サクラソウ会議の「半自然草原の再生」のページから入った方の出口はこちらです
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